Open Talk About Artist in Residence vol.11 Youkobo Art Space +OPEN A.i.R.
「AIRs Vol.11 アーティスト・イン・レジデンスほんとうのはなし 遊工房アートスペース⇔OPEN A.i.R.」
開催日時:2015.9.15(火) 18:00-19:00
会場:遊工房アートスペース(東京) /OPEN A.i.R.(プルゼニ・チェコ)
参加者:(現地):三原聡一郎(OPEN A.i.R.滞在作家)
Adéla Foldynová(DEPO 2015
project manager /OPEN A.i.R.)
Tereza Svášková (OPEN A.i.R. coordinator)
(日本):村田達彦、弘子(遊工房アートスペースディレクター)、辻真木子(スタッフ)
欧州文化首都2015に選定されたチェコ・プルゼニ市のレジデンスプログラムOPEN A.i.Rに、
遊工房との3ヶ月間の滞在制作交換プログラムの第2弾として、2015年7月?9月まで滞在している
アーティスト三原聡一郎さんと、OPEN A.i.Rスタッフのアデラさん、テレザさんとのSkypeセッション
「アーティスト・イン・レジデンスのほんとうのはなし」を開催いたしました。
三原さんが制作活動している環境は、DEPO2015という巨大なイベント会場の中にあります。
ここはもともと電車やバスの倉庫で、使われなくなったその広大な施設・敷地をダイナミックに使い、
様々な展示やイベント、コワーキングスペースなどが実施されています。
このSkypeを繋いだときは、ちょうど成果発表の時期で、
会場内のカフェに展示した作品も中継してもらいながら、お話を伺うことが出来ました。
もともと世界へ開かれた芸術としてテクノロジーと人間との関係性を問うシステムを
アート作品と提示し、近年特にエネルギーに関心を寄せていた彼は今回、プルゼニの各地で砂を採取し、
その砂に存在するバクテリアを使って発電する仕組を用いて作品を制作していました。
制作場所もAIRのスタジオと様々な機材が使える工房(DEPO内のパブリックスペース)を使え、
公共交通の定期券も支給してもらえたので、各地へリサーチや材料の買い出しに行けるなど、
充実した環境だったようです。
展覧会前には市民に向けたarduinoのワークショップを開く等、地域との交流も図っていました。
http://www.depo2015.cz/en/umelci-soucasni-ag21/soichiro-mihara-a226
3ヶ月間の滞在中、AIRアーティスト用のシェアハウスには多くの滞在アーティスト、
又は他のECoCイベントの関係者が出入りし、流動的に多くの交流が持てたようです。
特にスコットランドから来たランドアートのアーティストとは頻繁に意見交換を行なう等、
有意義な関係、交流の時間を持てたということでした。
また何より、AIRスタッフと良い関係性が築けていることは画面越しにも明らかでした。
スタッフの方は制作のためのリサーチ(砂の採取)同行などもしてくれたようですし、
三原さんもチェコ料理をみんなに振る舞ったり、プルゼニの特産であるピルスナービールを
みんなで飲みにいくなど、コミュニケーションは活発に合ったようで非常に和やかな、
信頼しあった雰囲気が見受けられました。
三原さんはプリ・アルスエレクトロニカ2015でHonorary
Mentionを受賞しており、
滞在中に受賞作品展会場であるオーストリア・リンツ(アルスエレクトロニカ)へも向かいました。
作品が現地で好評となり、展示会期も延長になるなど嬉しい報告を聞けました。
http://prix2015.aec.at/prixwinner/15397/
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AIRプログラムと並行して、同時期、同市内にあるUniversity of West Bohemia(以下UWB)では10年以上も続く
ArtCampというアートサマースクールが開催されています。
遊工房はこちらのイベントにも2013年から学生や若手アーティストを派遣しており、
今年は5名の美術系学生とJapanese
Ink Drawing講師として作家の町田久美氏、
そして運営部のインタ―ンとして遊工房スタッフの辻を派遣しました。
OPEN A.i.R.とUWBもECoCとを共に盛り上げ、アートと市をつなぐ機関として、
以前には イタリアからAIRアーティストとして招聘したサーカス集団と様々なコースの有志学生等が
コラボレーションして演目プロデュースをするワークショップを実施したり、
UWB卒業生がAIRのWEBデザインを進めるなど、わずかながらにも交わりもあるようです。
今年はUWBのドローイング講師がOPEN
A.i.R.のプログラムを通してドイツAIRを体験しており、
Y-AIR(Artist in Residence for Young)を進める遊工房としては、今後ますます注目したいところです。