2017.07.20

AIRs vol.16 アーティスト・イン・レジデンスのほんとうのはなし 2017.6.20,27 開催報告

開催日時:2017.6.20(火) 15:00-16:00 

     2017.6.27(火) 17:00-18:00 


会場:遊工房アートスペース(東京) /OPEN A.i.R. (ピルセン・チェコ) 


参加者:6/20 (現地):渡辺望(OPEN A.i.R. 滞在作家)

            (東京):村田達彦、村田弘子、辻真木子

   6/27 (現地):渡辺望(OPEN A.i.R. 滞在作家)、Teresa Svášková (AIRコーディネータ)

            (東京):村田達彦、村田弘子

   

欧州文化首都2015であったチェコ・プルゼニ市のレジデンス・プログラムOPEN A.i.Rとの交換プログラム第3弾として、2017年5-6月の2か月、アーティスト渡辺望さんを派遣、活動フォローのSkypeセッションの記録。7/20は滞在宿舎から、2回目はTeresaさん交え、DEPO2015中庭カフェにて。


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1.滞在制作環境など:

・滞在制作環境は、DEPO2015という巨大なイベント会場の中にある。

ここはもともと電車やバスの倉庫で、使われなくなったその広大な施設・敷地をダイナミックに使い、様々な展示やイベント、コワーキングスペースなどが実施されている。今夏のテーマ、Nomad含め、年間6つのテーマでのAIR含む活動を展開している。http://www.depo2015.cz/en/


・スタジオ環境、DEPO2015・1階のコワーキングスペース/fab lab.を利用。

アーティスト専用のスタジオなかったが、創作の場としては、施設を利用できる。DEPO会場内での展覧会は興味深いものだった。「Nomad」をテーマに建築やデザインをメインとする展覧会には、チェコアーティストが10人ほど参加。(10月まで開催)


・住環境としての宿泊スペース、DEPO2015の一角にあり、外部と直接接していて、ちょっと困惑。

前回派遣・三原さんとは別の場所。


2.スタッフほかの活動支援体制

Teresaさん他スタッフ総勢20名ほどの体制。スペインからのインターン生(20代くらい)によるサポート。
Terezaの支援とインターン生が中心。インターンのフライヤーデザイン含め、活動のサポートは助かった。

ワークショップの際は普段から子供とのワークショップを担当しているファシリテーターの協力があった。


・毎週(火)に、DEPOスタッフ総勢との朝食MTGがあり、コミュニケーションが定期的に取れるようになっている。今年は、同時期に活動する他の海外AIRアーティストはおらず残念。チェコ国内からは多数。予算の関係か?


3.展示発表など:

・渡辺さん自身は大きく2つのプログラムを実施した。

?「Nomad」展のオープニングでバルーンをあげるプロジェクトを実施。

?ワークショップ:DEPO内にある Fab Lab.を会場にワークショップを実施。

子供や大人に作品を作ってもらい、それを持ちかえる場所(家)を大きなピルセンの地図にマッピングしていく作品を制作。参加者と共に満足できたと思う。


4.その他、感想など

・展覧会準備などの時点では、手順など意思疎通に難があったというのが正直なところ。

・準備の工程が日本とは異なり、難しい面もあったということだったが、

・応募時の条件と、現地での契約に差異があり疑問が残った。ちょっと不透明のまま。

・プルゼニ市内では展覧のほか、コンサートなどシアターもの、イベントが多い感じ。

・地元美大(西ボヘミア大見学:学部長とArtCamp担当のマルケタさんとの面会の機会が有り、遊工房からのカタログを渡した。卒業展、学年末の時期で忙しそうだった。レクチャーの話は特にでなかった、残念。

・自身の経験からも、大学のAIRで活動するというのは(大学経由には)利点があると考える。地元のコミュニティーとアーティストがつながりやすい環境がすでにあるはず・・・。

・持参の材料等の荷物は、航空会社のミスで手元に戻らず、完全紛失。損害賠償手続き中。

・活動中、本交換プログラムに応募したが落選してしまったというアーティストとの出会、前年のArtCamp講師担当の矢嶋さんの来訪などあった。

5. 総括:交換プログラム3回目の印象

・今回の交換プログラム、Pilsen側は、テーマNomadに合う作家、遊工房は大学協働につながる作家を意図したが理解されず不発であった。(村田)

・AIRと美大のコラボ、興味あるテーマと思うが、現実的な活動のイメージが繋がらない様子。Vojtechさんに期待?これまでの5年間(ArtCampの2013年参加から)の総括と今後の展望についての意見が欲しい旨伝えた。

・テーマNomadに対応の良い作家の参加で盛り上がり良かった。今回は、海外作家1名のみで残念(予算)、今後も継続できるようにしたい。(Teresaさん)


・DEPO2015の今後のお話

DEPO2015レガシー、「2019年新生チェコ100周年」では、国内向けの活動が主となる。

スタジオレンタルやairbnb展開も検討中の様子。OPEN AiR開始時の宿舎・スタジオは当に解消。


・遊工房側のフォロー活動

・帰国報告会、11月、交換アーティストの日本側遊工房受入のVojchevさん滞在時期に実施予定。

・今年のこちらからの派遣は、渡辺さんの後は、ArtCamp・講師に松下裕子さん、受講生にエンエンさんだけと伝えた。(松下さん2016年DEPOで活躍)


・以前の渡辺さんの印象の通り、AIR予算不透明で、プルゼニ市の方針に合致する活動、財政的にも力強いDEPO体制整備がまずありきのような気がしている。

元来、コンサートなどシアターもの、イベントが盛んで、現代美術はまだなじまないのかも?

市と地元にある大学との関係も見えないまま、個人的な繋がりでも良いが、出来そうで出来ないままのじれったさ・・・。Teresaさんの個人的な感想を求めて引き出してみようか?