AIR ほんとの話

韓国:仁川平和美術プロジェクト

「AIRs-アーティスト・イン・レジデンスのほんとうのはなし・番外編」
@横浜・ 新・港区ハンマーヘッド・スタジオ(HHS)

開催日時:2013.10.05(土) 15:00-16:00 
会場:横浜・新・港区ハンマーヘッド・スタジオ
参加者:
金沢寿美(アーティスト、ペンニョン島AIR2013・6~8月滞在)、松本恭吾(Studio Jean)、村田達彦、村田弘子、渡辺遥(遊工房アートスペース)、江間他1名(HHSアーティスト)

「AIRs-アーティスト・イン・レジデンスのほんとうのはなし」、今回は、韓国仁川郊外のペンニョン島AIR滞在経験談を中心にした体験談。
(今回は、通常のトークシリーズの番外編)

韓国・ペンニョン島AIRは、仁川アートプラットフォーム(IAP)が運営する公設AIRで、韓国38度線付近の島・ペンニョン島で開催された「仁川平和美術プロジェクト」の一環で、今回3回目。海外作家受入れは今年初めて。日本から金沢寿美、他、英・独より参加、いずれも時期が別で、各期間1人ずつの滞在制作であった。渡航費、滞在スペース、応分の3ヶ月の日当が支給された。

ペンニョン島は、北朝鮮との国境に位置し、居住人口8000人の内、半数以上が軍人家族、韓国海兵隊基地の島。38度線国境の島でありながら、穏やかな平和な印象を持ったと言います。滞在中、始終花火が打ち上げられていると思っていた音が、後日大砲音だったと聞き、改めて基地の町特有の問題を意識した。普段は海水浴で知られるリゾート地でもあり国内観光客も多く、田園風景の広がるのどかな島。
島で開催された「526,000時間のインタビュー展」で、金沢は、島にある基地を囲む鉄条網に5000本のバラを咲かせた。地元の子供たちと古着の布でバラの花をつくるワークショップも開催、それらもインスタレーションとして作品に加えた。「526,000時間」とは、南北朝鮮停戦60周年に当たり、60年間の総時間数。また、会期中、ドイツ・ベルリンの壁崩壊の引き金の一つとなった、ハンガリーでの「ヨーロッパ・ピクニック計画」のポスターを島のいたるところに貼る展示も実施。この「ピクニック計画」のポスターは、鉄条網に一輪のバラをあしらったデザインで、今回の作品制作のヒントとなったもの、平和を願うメッセージが込められている。島での展示には、本土・仁川川からの国内外作家60名が参加した。島での展示後、本土・仁川アートプラットフォーム(IAP)で巡回展示となっている。島のAIR含め、IAPでは来年のアーティスト公募中。

http://www.inartplatform.kr/english_new/residency/residency.php

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