マリア・マティンミッコ
[フィンランド]マリア・マティンミッコ(1983年生まれ|オウル、フィンランド)は、ヘルシンキに拠点を置く作家である。作品は、詩と散文の中間のジャンルにある。彼女自身の仕事は、詩の伝統、散文詩、短編小説、さらに意外で非常に慎重に考慮された小説や格言の要素を結びつけるという意味で、比較文学の通常の概念を超えた追究である。しばしば 観察や想像力により、あるいは、その両方に基づき文の破片をつくる。状況、人物、抽象詩、風景、ある瞬間には、社会学的、文化的、経済的、政治的意識を持った不条理な、変幻自在で超現実的な様式で現れるであろう。
最近、Valkoinen (=白|2012年)、 Musta (=黒|2013年)、Värit (色|2017年2月)からなる3部作を完成させた。 Valkoinenはフィンランドの放送局によって与えられる詩のベストコレクション賞を獲得。このコンペティションでは、初めてデビュー作が認められた。また、 Mustaも賞賛を受けた。彼女はフィンランドの様々な学校で執筆を学び、美学を主題とした哲学を極めている。
東京での滞在中は、2つのプロジェクトに取り掛かる。1つはKolkka (=角)という4作目となる本の執筆で、作品は、主人公が実在しない土地に上陸するところから始まる。それは、創造的な土地へと距離を取ることによって、善と悪そして純粋と不純について、文化的に関連したアイデアと他のものとの間で探求している。著作は、身体の存在について大きな理解を握っている。人に起こること、人体に起こるものすべて、そして身体は常に物理的環境に既存しているということ。本は、(世界の)見識、報復、愛情を混ぜることによって読者に疑問を投げかける。
二つ目のプロジェクトは、フィンランドの作家であり研究者のMarkku Eskelinenとの協同である。彼らは、そのプロジェクトを「a time-fiction」と呼ぶ。それはフィンランドの作家グループによって書かれる、実質上のポスト・ウリポ(post-Oulipo)の詩集に算入される予定。詩集は2018年春に出版される。
滞在期間 | 2017.04.01 - 2017.04.30 |
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滞在場所 | Residence 3 |
作家HP | https://mariamatinmikko.com/ |