2018.05.01 - 2018.06.30

リン・クズィン

[ルクセンブルク]

リン・クズィンは、そのユニークで独特な手書きイラストレーションにより、脚光をあびているルクセンブルクのアーティストである。彼女は建築を学び、卒業後はオフィスワークをしていたが、この環境では自身の芸術的な面を十分に表現できないことに気づき、2016年より独学のイラストレーターとしての活動に切り替える。

幻想的で詩的な描写を目指す彼女のイラストレーションが、あらゆる世代に受け入れられているのは、彼女のアプローチによるものだ。彼女は身近な環境から直接インスピレーションを得て、魅力的かつユーモラスな方法で、日常の場面を単純化する。彼女の作品の技術面は、主にアクリルガッシュ、インク、鉛筆を用い色数を抑えた絵画的質感に溢れる手書きの要素に特徴付けられる。

手書きの特徴は、デジタルのドローイングに比べ、作品の主体においてとても私的で主観的なものにする。限られた色数は、鑑賞者に彼女のドローイングの簡略化された対象とそれらの配置に直接焦点を当てやすくする。認識、理解する瞬間がつくられるのだ。

遊工房での滞在中、リンは最初の2週間、文化を吸収し、東京ライフの”絵日記”制作に費やそうと考えている。どのように物、人、建物が相互に関係づけられるかは、多くの作品を展開するきっかけとなる。彼女は、複雑なアイディアの分解、シンプルで素朴な主題における観察によって、物語を引用したイメージを制作しようとしている。
2017年にルクセンブルクで開催した初めての展示と同様、リンは見て、体験したもの全てを記録するつもりである。更に新しいテーマを描くことにより、その土地の生活や文化を深く理解したいと考えている。

滞在期間 2018.05.01 - 2018.06.30
滞在場所 AIR-1
作家HP https://www.lynncosyn.com/