LOOK AT ME! こっちみて!

SUMO スーモ [ルクセンブルク]

2016.09.21 - 2016.09.25

こっちみて!

日本は初めて訪れた。東京を歩いた時に「こっちをみて!(Look at me!)」という言葉が頭をよぎったことを、このテキストを書きながら思い出す。そこでは道路標識や広告、人々の豪華な服装、そしてどんな小さな公共空間にさえも視覚的な情報は叫び、関心を求めていた。道路でも、店の中でも、地下鉄でも、通知音やコマーシャルソング、スローガン等の音が身の回りに溢れ、しばしば巨大なゲームの中にいるかのように覚えた。過熱する競争、完全さの追求、認知や成功を志向する要求のレベルは次第に上がっていく。私にとってこれはゲームの始まりだ。ゲームはプレイヤーを極端へと走らせる。誰が一番力を持って、一番イケていて、一番可愛いくて、一番面白くて、一番頭が良くて、一番輝いていて、一番ファッショナブルか、等々。トップに至る近道などは無く、一層の努力か完全に諦めるかの選択肢しかない。
言葉で東京を表すとすれば「様式の都市」だろう。なにもかもがグリッドに沿っているかのように、人やモノ、場所といった様々なグループの中にはヒエラルキーと尊敬、そして秩序が介在している。
社会におけるランキングのシステムと日本の伝統への尊敬とを、総合した大きな様式として形成するとしたら内包される小さな様式たちによって構成されることになる。遊工房での制作としては、以下の2つの観点に絞る:
どんなに小規模で重要でなくても、殆どの会社がマスコットやキャラクターを持ち、それらが説明したり、プレゼンをしたり、案内をしたりしているように見受けられる。この視覚的な競争は日々の闘争に加わり、最終的には日常生活全体の様式の一部になる。
ロリータファッションの若者であれ、50年代ロカビリーの人々であれ、彼らは画一性や因習から解放され個性やオリジナリティを探しているように感じる。皮肉なことに、彼らは別のコードやルールを持つ新たな既存のものに委ね、別の様式の一部となる別の制服に着替えているのだ。しかし、それぞれのグループの中の要素には、統一性や一貫性、きめ細やかな心配りがあり、ビジュアルアーティストの目を楽しませてくれる。それは私の関心を引き、更に深く見たいと感じさせた。これが私の東京で創る作品のテーマであるべきなのだ。

展示期間 2016年09月21日(水) - 2016年09月25日(日)
展示時間 12:00-19:00
展示場所 Studio 1
作家HP http://www.sumo.lu/

関連イベント

  • ルクセンブルク大公国大使館にて展覧会開催 9月15日-28日(土日祝休館)10:00-12:00&14:30-17:00